春の売木村を訪れた旅人は、山里に点在するしだれ桜の美しさにきっとため息をつくでしょう。名だたる巨木・古木こそ少ないものの、美しく整った枝ぶり、勢いあふれる花つきは他の地域に負けない魅力を持っています。
この里の一本桜のほとんどはエドヒガンで、明治の終わりから戦後にかけて、地元の人たちが植えたものです。根元には必ずといってよいほど馬頭観音などの石塔がたたずみ、かつて馬の飼育が盛んだった村の歴史を伝えています。
※桜のある場所は私有地となります。ルールを守ってご鑑賞ください。
正平桜
山ぎわの畑から集落を見下ろす桜。白鳥神社横にあった古木・神代桜の子を植えたと伝えられている。村内で1番早く咲き始める桜です。
観音堂の枝垂れ桜
享保20(1737)年頃に建立された脇に佇む枝垂れ桜。樹齢は160年と推定され、村内に現存する桜では最も古い名木。期間限定でライトアップを行なっています。
宝蔵寺の桜
宝蔵寺は文禄元(1592)年の創建で、宝暦4(1754)年以後に現在地へ再建。山門は17世紀の建立とされ、村内最古の木造建造物として村の文化財に指定されています。期間限定でライトアップを行なっています。
与助の桜
与助とは地名。村内でも開花の遅が遅い一本桜。
福美桜
樹齢80年ほど。枝ぶりの美しさから人気が高い。
大入りのシダレ桜
大入洞の入口にあるのでこの名がつきました。地元の人たちは、大入桜のつぼみが赤くなったのを、籾種蒔きの目安にしたと言います。
三太夫の桜
根元の石塔には明治6年の銘があり、三太夫という人物が行き倒れたのを埋葬したものと言われています。
このほか・・・
今後の成長が期待される若木は多数あり、
売木の桜は赤みが強いのが特徴です。